治療の問題点と対応策

インプラント治療の問題点と対応策

インプラント治療は、義歯(入れ歯)を使用した場合に比べて、違和感もなくしっかりと噛んだり、しゃべることができるようになるため、世界中で優れた治療法と認識されています。また、適切に治療され、定期的にチェックやクリーニングを受けている場合には、高い確率で長期間使用可能であることが科学的に立証されています。
しかしながら、現在の最新のインプラントにも下記のような問題点や課題が存在します。そのため、インプラントの治療だけでなく、治療後に長期的に快適にご使用いただけることを見据える必要があります。その際、インプラント治療を熟知したインプラント専門医による適切な診断と治療、そして専門の歯科衛生士によるプロケア(メンテナンス)が非常に重要となります。

インプラント周囲炎の対応

インプラント周囲炎とは

歯の歯周病(歯槽膿漏)と同じように、インプラントの表面が細菌感染した場合、インプラントの周囲の骨が部分的に溶けてしてしまうことがあります。これは、“インプラント周囲炎”とよばれており、歯周病が原因で歯を失った患者さんは、インプラント周囲炎を発症する確率が高いことが分かっています。

原因

原因としては、インプラントの周囲の歯磨きが十分でなかったり、定期的なメンテナンスに通われないことによって、インプラント周囲が不潔な状態のままで放置されてしまう場合などが挙げられます。また、患者様の口の中に強い炎症を引き起こしてしまうたちの悪い種類の歯周病菌が存在したり、歯周病菌や炎症に体の組織が過敏に反応してしまう体質であったり、体の免疫力が低下している場合でもインプラント周囲炎が発生します。

予防と対策

インプラント治療を行った後は、プロによる定期的な検査と清掃(メンテナンス)に通っていただきます(3カ月から6カ月に1度)。それによって、インプラントの寿命を延ばすことができるのみならず、残っている歯の虫歯や歯周病を未然に防ぐことができます。 また、歯周病傾向の強い患者様にインプラント治療を行う場合は、インプラント治療の前にDNAレベルの細菌検査を行い病原菌の種類と量を調べます。そして、悪玉菌を極力少なくするように歯周病の治療をインプラントに先行して行います。

治療

インプラント周囲炎となってしまった場合には、傷んだ組織を取り去り、汚れたインプラント表面を各種の方法を応用してきれいにクリーニングします。これは、歯周病の治療と原理的には同じです。また、場合によっては吸収した骨を再生させるための処置(再生療法)も行います。

患者様が恒例となり高齢施設に入った
場合や、寝たきりになった場合への対応

インプラント治療は、人工歯がインプラントにセメントで固定してしまう方法(セメント固定式)と、ネジで固定して何かあった時にインプラントから人工歯を外せる方式(術者可撤式)があります。考えたくないことなのですが、高齢になられたり、何らかの理由で、ご自身でお口の中の管理(口腔ケア)ができなくなった際には、どうしても歯やインプラントの周囲が不潔な状態になってしまいます。
歯科医師がインプラントから人工歯を外せる方式であるならば、インプラントの歯をはずして、通常の取外しの入れ歯(床義歯)に変更したり、また、インプラントをお口の中に露出させないようにしたり、いろいろな対応が容易にできます。このような理由から、当院では多くの症例で人工歯をインプラントにネジでとめる方式(術者可撤式)を採用しています。
この方式の場合、構造が複雑化するため人工歯には誤差のない高い精度が要求されます。そのため、人工歯を作る者(歯科技工士)には、通常の技工物(入れ歯や差し歯)を作製する場合よりも、高度な専門的知識と技能が必要とされます。

インプラントは一生持つのか?

歯冠(歯肉の上の部分)のエナメル質の表面は体の中でもっとも硬く、また歯根(歯肉の下の部分)は歯を支える骨(歯槽骨)と歯根膜繊維を介して連結されています。そのため、非常に丈夫であるばかりではなく、噛む衝撃に対してもショックを吸収する等、優れたメカニズムを持っています。
そのように、非常に良くできた歯でも、一生涯機能するかを予知することまではできません。ムシ歯や歯周病が進行しますと、高度な治療をもってしても残すことができなかったり、持ちが悪かったりする場合がありますので、予防や早期の治療が大事になる訳です。
第3の歯として期待されているインプラントに関しても、残念ながら一生機能すると断言することはできません。もちろん天寿を全うされるまでインプラントを使用される方もたくさんおられますが、何らかの理由(前述のインプラント周囲炎等)でインプラントを支える骨が吸収してしまうとインプラントを取り外して交換しなければならない場合があります。

当院のオプトアウトについて

通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施をします。臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等のみを用いた研究や、余った検体のみを用いるような研究については、国が定めた指針に基づき、「対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありません」が、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開し、さらに拒否の機会を保障することが必要とされています。これを「オプトアウト」と言います。
なお、研究への協力を希望されない場合は、いつでも拒否ができ診療上で不利益を被ることはありません。
オプトアウトを行っている臨床研究は下記の通りです。研究への協力を希望されない場合は、下記表内に記載されている担当者までお知らせください。

オプトアウト

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